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専門商社のパンフレットづくりのきほんを知る

専門商社のパンフレットづくりのきほんを知る

「商社」という言葉には、2通りの意味があります。1つは、「総合商社」といわれるものであり、多岐にわたる分野の商品を取り扱う商社です。そしてもう1つの「専門商社」とは、特定の分野の商品だけを取り扱う商社のことを指します。なお専門商社は、その売り上げのうちの半分以上が特定の商品で占められることになります。そのため専門商社の方は、「特定の分野・特定の領域に特化した商社である」といえるでしょう。
同じ「商社」であっても、総合商社と専門商社では、顧客に対するアピール方法が異なります。そしてアピール方法が異なれば、求められるパンフレットのかたちも異なります。

ここでは、商社のなかでも、「専門商社」を取り上げて、そのパンフレット作りのコツ(どんなことを書けばよいか、作る際の注意点としてどんなものがあるか、作るときの具体的な流れ)について解説していきます。

専門商社のパンフレット作りでは、まずは「何を扱っているか」を明確に

専門商社のパンフレット作りでは、まずは「何を扱っているか」を明確に

専門商社のパンフレットは、以下の点を意識して作ると読みやすくなります。

  • ・自社の取り扱い分野について分かりやすく解説する
  • ・その取り扱い分野における実績、また歴史のアピール
  • ・好まれるデザインを考える
  • ・基本的にBtoBが前提となるため、それを意識する

一つずつ見ていきましょう。

自社の取り扱い分野について分かりやすく解説する

専門商社のパンフレットを作る際に、もっとも重要なのは、「自社の取り扱い分野について分かりやすく解説すること」です。どんなカテゴリーの商品を扱う専門商社であっても、この点は変わりありません。

「私たちの会社は医薬品を取り扱っています」「電力やガスなど、エネルギーのカテゴリーで活躍している会社です」「繊維商社として、アバレル業界などに寄与しています」などです。
この「自社の取り扱い分野」は、非常に重要な部分となるため、紙面が限られるパンフレットという媒体であっても、しっかり書き込むとよいでしょう。

また、「繊維を扱う商社だが、活躍範囲は医療業界にも及ぶ」などのような特徴があるのであれば、そのあたりもしっかり描写しておくべきです。たとえば、「弊社の繊維は、手術着などの病院衣料として使われています」「治療に使われている血液フィルターに利用されています」などのようなかたちです。多くの人は繊維と聞くとアパレルなどを思い浮かべるため、このように別の業界でも利用されていることを打ち出すことができれば、「この会社は幅広い範囲で活躍しているのだ。それならば、私たちの会社の次のプロジェクトにも協力してもらえるかもしれない」という印象を持たれやすくなります。

また、特に医療関係・福祉関係・環境保全関係は、企業イメージの向上にもつながりやすいものだといえます。

その取り扱い分野における実績、また歴史のアピール

小さい商社、歴史の浅い商社=信用のおけない商社である、とまでは決して言えません。ただし、大きく、歴史の長い商社が信頼を獲得しやすいのは確かです。そのため、自社の歴史が長いようであれば、パンフレットでもそれをアピールするとよいでしょう。
特に100年以上の歴史を持つ商社の場合は、パンフレットの表紙に創業年を入れるのもおすすめです。

また、今までの実績もパンフレットに載せましょう。取引実績などを載せることで、顧客(となるかもしれない人)は安心しますし、「この会社と取引のある専門商社ならば、安心して任せられる」という印象を抱かせることができます。取引実績に関しては、歴史がそれほどない会社であってもアピールすることができます(なお一般的には取引実績の掲載は問題にはならないと解釈されますが、取引先の企業からNGが出ている場合は控えましょう)。

また、「シェア〇パーセント」などのようにアピールできる材料があれば、それも分かりやすい場所・目に入りやすい場所に記しておきます。

好まれるデザインを考える

パンフレットのデザインに、明確な「正解」はありません。デザインには好みもありますし、はやりすたりもあるからです。
ただ、業界ごとに、「よく選ばれるデザイン」「好ましいと思われやすいデザイン」はあります。
専門商社のパンフレットの画像やデザインは、幾何学/モダン/スタイリッシュなものが好まれる傾向にあります。シンプルでありながら訴求性の高いデザインのパンフレットは、見る人に好感と安心、そして真面目な印象を与えます。ややメタリックで近代的なデザインで仕上げると、印象がよいでしょう。

ただ、専門的な分野であれば、あえてキャラクターなどを入れて親しみやすい雰囲気にすることもよくあります。「とっつきにくさ」を払拭して、キャラクターと一緒に学んでいけるような雰囲気にすると、ほどよく柔らかい印象が作れます。
英字もよく使われます。見出し部分などはキャッチーで短い英単語・センテンスでまとめる手法は、専門商社のパンフレットではよく使われています。

なお専門商社のなかにはロゴを持つところも多くありますが、そのような専門商社ではこの「ロゴ」も上手くパンフレットデザインに取り入れていくとよいでしょう。

基本的にBtoBが前提となるため、それを意識する

専門商社は、基本的にはBtoB となります。個人と取引をする専門商社も ありますが、その数はそれほど多くはありません。また個人との取引も行う専門商社であっても、自社の利益のなかで、個人との取引の売り上げが占める割合は、決して大きくはないと思われます。
ページ数・文字数に制限がないWEB媒体とは異なり、パンフレットでは紙面・文字数に制限があります。そのため、パンフレット作りにおいては、「個人との取引」よりも「BtoB」を意識して紙面を作った方が効率がよいでしょう(個人との取引に関する記載は、WEB媒体などで丁寧に行うことでフォローができます)。

BtoBの場合は、相手も知識を持っているため、基本的な説明や詳細な説明は割愛できます。語句の説明などは省略して、「取引実績」「シェア」「ほか商社との比較」などを紙面に盛り込むようにしましょう。また、上でも軽く述べましたが、「自社の商品の活躍の範囲・カテゴリー」などを意識して取り上げるようにします。

ここまで、専門商社のパンフレット作りのポイントについて解説してきました。
次項では、「注意点」「具体的な記載の方法」について解説していきます。

専門商社のパンフレット作りの注意点と具体的な記載方法

専門商社のパンフレット作りの注意点と具体的な記載方法

専門商社がパンフレットを作る際には、要点を絞り込むことが重要です。そのための具体的な記載方法としては、以下のようなものが挙げられます。

対応業務範囲が広い場合は、メインの業務あるいはメインにしたい業務に焦点をあてる

専門商社のなかであっても、「たった1つの商品しか扱わない」というところは、それほど多くはありません。多くの専門商社は、「1つの商品・1つのカテゴリーを主軸として、それ以外の商品・カテゴリーも展開している」という形態をとっているでしょう。

このようなかたちの場合は、まずは主軸のメイン業務(あるいはこれからメインとしていきたい業務)に焦点をあてて、それを中心にパンフレットの展開を考えていくのが正解です。また、それ以外の業務に関しては、このメイン業務と紐づけるかたちで拡げていくとよいでしょう。

たとえば上で挙げた「繊維を扱っている専門商社であり、基本的には服飾用の繊維を取り扱っているが、医療業界にも提供している」という場合は、まずは服飾用の繊維をメインに取り扱っていることを大きく取り上げ、そのうえで、「服飾用に作ってきた繊維は、今、医療業界にも」などのようにすると、主軸がぶれず、読みやすいパンフレットになります。

「わかりやすさ」「伝わりやすさ」をテーマに、俯瞰で業務内容がつかめるものにすることが重要

専門商社のパンフレットはBtoBを基本としますから、専門商社のパンフレットを手に取る人はある程度パンフレットを「読もうとしてくれる」人であるといえます。そのため、多少複雑な文章や説明であっても、「読んでくれること」が期待できます。
ただ言い方を変えれば、これは「ほかの同業他社・競争相手のパンフレットであっても読み込む」ということですし、どこかに依頼をしようとするときは同業他社と比較検討して選ぶのが普通です。
そのため、パンフレットがあまりにも読みにくかったり、要点がつかみにくかったりすると、同業他社・競争相手が選ばれやすくなってしまいます。

専門商社のパンフレットは、「わかりやすさ」「伝わりやすさ」を重視しましょう。また、自社の特長を打ち出すことは重要ですが、「自社の理念を伝えること」よりも、俯瞰的で業務内容がわかりやすい紙面構成にすることの方が望ましいといえます。「やる気」などのように定量化しにくいもの・比較しにくいものをアピールするよりも、業績や対応、可能業務範囲などを明確に伝えることが重要です。

営業拠点や支社情報も入れておくと分かりやすい

現在は日本の流通は非常に発達していて、日本全国どこでも物を届けられるようになりました。
しかしそれでも、同じサービス・同じ商品・同じ価格であるのなら、輸送費や輸送日数がかからないところに依頼をしたくなるのはごく当然のことです。また、「実際に顔を会わせて話したい」ということもあるでしょう。

この点を踏まえて、専門商社のパンフレットには、営業拠点や支社情報を入れておくとなお良いといえます。
特に全国展開している専門商社の場合は、「どこでも相談に応じられます」「それぞれの拠点から、タイムロスなく、お求めの商品をお届けします」などのアピールが可能となるでしょう。

専門商社のパンフレット、具体的な展開について

専門商社のパンフレット、具体的な展開について

最後に、専門商社のパンフレットの具体的な展開について解説します。
ただしこれはあくまで一例なので、「すべての専門商社のパンフレットは、この流れをとらなければならない」ということはありません。

1.企業理念

すでに述べた通り、専門商社のパンフレットにおいてより重要視されるのは、「企業の理念そのもの」よりも「何ができるか」です。
ただこれは、「企業理念などを一切入れてはいけない」ということではありません。2分の1ページ~1ページ程度で、簡潔にわかりやすくまとめる分には、「この企業とは考え方が似ているから、良いパートナーになりそうだ」などのような印象を抱かせることができます。

2.メインの事業内容+実績

専門商社のパンフレットにおいて、もっとも重要な部分です。
自社のメインの事業内容と、その実績について記しましょう。
この場合、実際に取引した相手や、数字などを入れると、よりわかりやすく、より訴求力を高くすることができます。

メインから派生する事業内容+実績

メイン事業とからめるかたちで、そこから派生したサブの事業内容を記します。
このときも、メイン事業と同じように、実績などを数字できちんとアピールすることが大切です。
なおメイン業務との関連性が分かりにくい場合は、図などを入れて書いていくとよいでしょう。

4.自社の特長、誠実さのアピール、今後の展望

自社の特長や誠実さのアピール、そして結びとして今後の展望を入れていきます。
3つのなかでは、顧客の利益に直結する「自社の特長」を厚めに入れるとよいでしょう。
また、誠実さのアピールも、顧客の利益と結び付けられるかたちでアピールできると望ましいといえます。

5.会社沿革/会社概要

最後に、会社沿革や会社概要、拠点などについて記します。

専門商社のパンフレット作りの相談は、私たちにお任せください。
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