「スクリーニング調査(n=5,000)」と「本調査(n=298)」の2回に分けて調査を実施いたしました。スクリーニング調査では「全体的にAIツールがどこまで普及しているか」を、本調査では「普段AIを利用される肩がよく利用するAIツールは何か(主にデザイン系ツール)」について調査しています。
※各調査の概要については、本記事の末尾に記載しております。
調査結果の要約
スクリーニング調査(n=5,000)
- ・AIツールを普段利用していない割合は85%
- ・毎日AIツールを使っている割合が一番多い職業は「デザイナー」
- ・「デザイナー」でAIを毎日利用している割合は20%以上
- ・AIツールに有料課金している人は全体の7%
- ・有料課金率が最も高かったのは20代で、「20,000円以上」と回答している比率も最も高い
本調査(n=298)
- ・汎用系AIツールの中で最も認知率が高いのは「ChatGPT」(56%)
- ・汎用系AIツールの中で最も利用率が高いのも「ChatGPT」(48.7%)
- ・画像/グラフィック系で最も認知率が高いのは「Midjouney」(30.2%)
- ・画像/グラフィック系で最も利用率が高いのも「Midjouney」(24.2%)
- ・資料系で最も認知率が高いのは「Ganma」(36.6%)
- ・資料系で最も利用率が高いのも「Ganma」(31.9%)
- ・web系で最も認知率が高いのは「Create.xyz」(25.2%)
- ・web系で最も利用率が高いのは「tl;draw」(22.8%)
- ・動画系で最も認知率が高いのは「DomoAI」(27.2%)
- ・動画系で最も利用率が高いのも「DomoAI」(23.8%)
- ・AIツールへの課金額を増やす意向の割合が40.3%、減らす意向の割合が25.8%
- ・現状無料の範囲で利用している人の半数程度は課金意向あり
アンケート調査結果(スクリーニング調査 n=5,000)
調査概要
「全体的にAIツールがどこまで普及しているか」について、15歳以上の男女(人口構成比割付)で5,000名の方にアンケートを行いました。
AIツールの利用頻度
AIツールを普段利用していない人が「85%」
「ほとんど利用しない」と「使用したことない」という回答を合わせて85%程度が、普段の生活でAIツールを使用していないという回答でした。残りの15%の方は月に数回以上使っており、毎日の方は3.3%という結果でした。
AIツールの利用頻度(年齢別)
年齢が上がるにつれて、AIツールの利用頻度が下がる傾向にある
年齢別にみてみると、年齢が上がるにつれて利用頻度が下がる傾向にありました。わずかではありますが、30代よりも40代の方が利用頻度が高い結果でした。
AIツールの利用頻度(職業別)
PC作業等が多いと見込まれる職業の方が利用頻度が高い傾向
職業別にみてみると、PC作業等が多いと見込まれる職業の方が利用頻度が高い傾向にありました。PC作業が多そうなエンジニアが、想像していたよりも低く位置している点が少し意外な結果でした。
AIツールをよく利用している職業ランキング
先程のデータを元にランキング形式に変換したものです。特に我々デザイナーはPC上での作業も多く、月数回以上利用している方は50%(2人に1人)以上、毎日利用している方は20%(5人に1人)以上という結果となりました。
月に1回以上利用するAIツール数
月に1回以上AIツールを利用する方は「25%」
月に1個以上AIツールを利用する方は「25%」という結果でした。2個以上を合計すると約15%程度なので、先程の「月数回」と回答した方のボリュームに近くなりそうです。
個人的には特に「10個以上」と回答した方が55人いらっしゃって、この方々がどのようにAIツールを使いこなしているか気になるところです。
月に1回以上利用するAIツール数(年齢別)
年齢が上がるにつれてAIツールの利用個数も下がる傾向
年齢別にみてみると、年齢が上がるにつれてAIツールの利用個数も下がる傾向にありました。こちらもわずかではありますが、30代よりも40代の方が利用個数が高いことが確認できました。
また、月1個以上利用している(灰色以外の色がついている)利用者を100とした時に、「1個だけ使っている」がどれくらいの割合を占めているかという観点で見てみると、若い世代の方が「複数以上AIツールを使っている」割合が高くなる傾向にありそうです。
月に1回以上利用するAIツール数(職業別)
PC作業等が多いと見込まれる職業の方が利用ツール数が多い傾向
職業別にみてみると、PC作業等が多いと見込まれる職業の方が利用頻度が高い傾向にありました。こちらもPC作業が多そうなエンジニアが、想像していたよりも低く位置している点が少し意外な結果でした。
デザイナーは比較的AIツールの利用数が多く、6ツール以上使ってる方が25%以上いる等気になります。
1ヶ月間での「AIツールへの課金額」
有料課金している人は「全体の7%」
2024年5月の1ヶ月間での「AIツールへの課金額」を調査したところ、「利用していない76.4%」と「無料の範囲で利用している16.6%」の合計93%の方がAIツールに課金していないことがわかりました。
逆にいうと、7%の方はAIツールに課金しているということになります。
1ヶ月間での「AIツールへの課金額」(年齢別)
最も比率が高いのは「20代」
年齢別に見てみると、10代は「無料の範囲で利用している」の比率が多く、有料課金者は全体7%となりました。一番有料課金率が高かったのは20代で、「20,000円以上」と回答している比率も最も高い結果となりました。
1ヶ月間での「AIツールへの課金額」(職業別)
PC作業等が多いと見込まれる職業の方が、比較的課金額が多い傾向
職業別にみてみると、こちらもPC作業等が多いと見込まれる職業の方が課金額が高い傾向にありそうです。しかし、一方で「無料の範囲で利用している」と「有料課金」の比率は職業によって傾向が異なるようです。たとえばカスタマーサポートは、「無料の範囲で利用している」と回答した数に対して、有料回答者の比率が高い結果となりました。
本調査
調査概要
本調査では、スクリーニング調査で普段AIを使っている内容の回答をいただいた計298名にアンケートを実施いたしました。「普段AIを利用される肩がよく利用するAIツールは何か(主にデザイン系ツール)」について調査しています。
汎用・デザインツールの認知率・利用率
ChatGPTの認知率が56%でトップ
生成AIブームの火付け役でもあるChatGPTの認知率は56%、利用率は48.7%という結果でした。
個人的には、本調査対象者の属性からすると、ChatGPTの認知率は90%に達していてもおかしくないと考えていたのですが、こちらの結果は意外でした。また私の興味があるDifyやcozeといったサービスについては認知率5.0〜7.7%と低い水準でした。
画像/グラフィック系AIツールの認知率・利用率
認知率・普及率ともに1位は「Midjouney」
画像/グラフィック系AIツールについては、Midjourneyが30.2%と最も認知率が高い結果となりました。また、普及率も24.2%とともに1位という結果でした。
資料系AIツールの認知率・利用率
認知率・普及率ともに1位は「Ganma」
資料系AIツールについては、Ganmaが36.6%と最も認知率が高い結果となりました。また、普及率も31.9%とともに1位という結果でした。
日本発の「イルシル」については、認知率32.6%・普及率28.5%と「Ganma」に次いで2番目という結果となりました。
Web系AIツールの認知率・利用率
認知率1位「Create.xyz」・普及率1位は「tl;draw」
Web系AIツールについては、「Create.xyz」が25.2%と最も認知率が高い結果となりました。 一方普及率については「tl;draw」が22.8%とともに1位という結果でした。
また、先日2024年6月21日にAnthropic社からリリースされた「Claude 3.5 Sonnet Artifacts(クロード 3.5 ソネット アーティファクト)」は、まさにこの領域に食い込んできます。アンケート項目に入れられなかったのですが、またこの辺りの情勢も変わっていきそうなので、要注目です。
動画系AIツールの認知率・利用率
認知率・普及率ともに1位は「DomoAI」
動画系AIツールについては、DomoAIが27.2%と最も認知率が高い結果となりました。また、普及率も23.8%とともに1位という結果でした。
ここにOpen AI社のSoraが入ってきて、どのように勢力図が変わるかは要注目です。
今後のAIツールへの課金意向
AIツールへの課金額を増やすのが「40.3%」、減らすのが「25.8%」
AIツールへの課金額について、「2024年5月にいくら支払ったか」への回答と、「今後いくらまで課金できますか」への回答とを比べて、課金額の増減について集計しました。
結果としては、課金額を増やそうと考えている人の比率が40.3%という結果でした。
今後のAIツールへの課金意向(詳細)
現状無料の人も半数程度は課金意向あり
先程の円グラフの詳細となるデータです。特に現状「無料の範囲で利用している」人の半数近くは有料でも使ってもいいと考えているようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の調査から、AIツールを普段利用している人の割合は全体の15%程度で、さらに有料課金している人は7%程度であることがわかりました。また、普段からAIツールをよく使っている人たちが、具体的にどのようなツールを利用しているのかについても明らかになりました。
我々はデザインを生業にしている会社ですので、特に毎日AIツールを利用している割合が最も高かったのがデザイナーという点が驚きでした(5人に1人が毎日利用している!)。中には10以上のツールを駆使している方もいらっしゃって、とても刺激を受ける結果でした。今後はより積極的に自身の業務にも取り入れていきたいと思います。
みなさまのご意見やご感想を教えていただけますと幸いです(もし可能であればどのようにAIツールを使っているかも参考にさせていただきたいです)。X等でつぶやいていただけると嬉しいです。
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