採用案内用パンフレット
介護施設のパンフレットの作り方~「知りたい」を知ることのできるパンフレットに

介護施設のパンフレットの作り方~「知りたい」を知ることのできるパンフレットに

一口に「パンフレット」といっても、求められる内容や書き方は業界・業種ごとで異なります。
ここでは「介護業界」を取り上げて、介護施設や訪問看護のパンフレット作りについて注目していきます。潜在的な利用者様は何を求めているのか、それに応えるパンフレットとはどのようなものか、介護施設・訪問看護のパンフレット作りにおいて気を付けたいこととは何なのかを分かりやすく解説していきます。

介護施設選びの不安は「時間がない」「入居できない」「費用」に集約される

介護施設選びの不安は「時間がない」「入居できない」「費用」に集約される

介護施設のパンフレットは、「介護施設を選んでいる人が何を不安に思っているか」を把握し、その不安や悩みに回答する必要があります。
介護施設を選ぼうとしている人は、自分たちの持つ疑問や不安を解消してくれるパンフレットを求めていますし、そのパンフレットをきっかけに介護施設に問い合わせをかけようとするからです。

では、介護施設の潜在的な利用者様はどのようなことに悩んでいるのでしょうか。

これは、株式会社LIFULL seniorが出した統計を見ることで把握できます。

これによると、介護施設選びをするうえで困ったことの1位は、「急いで探さなければならなかった」で、約4人に1人がこの悩みを持っていたことがわかります。
続いて「入居待ちの人が多くて入るのが難しい」が2位に入っていて、3位には「どれくらいの費用がかかるのかが想像しにくい」が入っています。

4位には「希望条件を満たす介護施設が見つからない」、5位に「比較するポイントが分からない」がランクインしています。ただ1位~3位まではすべて20パーセントを超えているのに対して、4位以下はすべて20パーセントを切っています。

そのため、介護施設は、

  • ・介護施設を急いで探さなければならない人
  • ・入れる介護施設がなかなか見つからない人
  • ・どれくらい費用がかかるのかを不安に思っている人

の悩みに答えるパンフレットを作る必要があるといえます。

なお上記のデータはあくまで「介護施設探しのときのお悩み事項」です。ただ訪問看護選びの際も、同じような悩みを持つ人が多いものと推測されます。そのため、介護施設だけでなく、訪問看護サービスを提供している事業者もこの点を意識することが重要です。

出典:

PRTIMES(株式会社LIFULL senior「【LIFULL 介護】介護施設の探し方に関する調査 半数以上が見学から3ヶ月以内に入居へ。施設に満足している人は余裕を持って探す傾向に」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000049958.html

選ぶ人の「知りたい」に答えるために

選ぶ人の「知りたい」に答えるために

介護施設を探す人の悩みとして、

  • ・急いで探す必要がある
  • ・入れる施設がない
  • ・費用がいくらかかるか分からない

があるとしました。

それでは、このような悩みに答えられるパンフレットを作るにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。

・急いで探す必要があるという悩みに答える方法

急いで探している人に対しての効果的なアプローチは、「電話番号の分かりやすい表記」と「必要な情報の絞り込み」です。それぞれ見ていきましょう。

1.電話番号の分かりやすい表記

介護施設選びを急いでいる人に対して訴求するためには、「連絡先を分かりやすくすること」が必要不可欠です。
まず電話番号を一番目立つところに、目立つ文字の大きさで、目立つ文字色ではっきりと記しましょう。現在は二次元コードで「連絡先はこちら」とすることもありますが、二次元コード読み取りアプリを入れている人ばかりではありません。二次元コードは、紙面では説明しきれないことや、日々変化することを記すには適しているものですが、連絡先のように「すぐに知りたいこと」を記すツールとしてはやや不向きです。

また、入居を検討している人のなかには、「パソコンやスマホで文字を打って問い合わせをするよりも、電話で直接やりとりしたい」「細かい病状や介護レベルを伝えながら、入れるかどうかを知りたい」という人も多くいます。そのような人にとっては、「直接人と話せて、分からないことの返信をすぐにもらえる電話」が非常に大きな意味を持ってきます。

2.必要な情報の絞り込み

「パンフレットにはどれくらいの文字数が入るのか」については、知らない人の方が多いかと思われます。

パンフレットは、多くても8ページで構成されるのが一般的です。そして、一般的なパンフレットのサイズのうちのひとつであるA4サイズで紙面いっぱいにまでぎっしり文字を詰めた場合、1ページあたり1,000文字程度が入ります。

ただ実際にはこのパンフレットのなかには図や写真が入りますし、文字サイズを大きくしたり、行間を設けたりといった処置もとられます。そのため、1ページに入る文字数はもっと少なくなります。
この「1000文字」というのは、多く見えて意外と少ないものです。たとえば介護施設の料金表や部屋の広さなどを細かく述べようとすると、すぐに1,000文字に達してしまいます(目安:コラムはだいたい4,500文字程度です)。

また、急いでいる人にとって、多すぎる文字数は負担になります。
欲しい情報にすぐにたどり着けませんし、読むだけの手間をかけさせられることにもなります。
このため、パンフレットに盛り込む内容は、「お客様が知りたがるであろう情報(施設の長所・対応可能な病状と介護レベル・費用・部屋の広さなど)」だけに留めることが重要です。

・入れる施設がないという悩みは二次元コードで解決

少子高齢化社会である現在、「入れる介護施設がない」というのは多くのところで聞かれる悩みです。
これをいち介護施設だけでは解決が難しい問題です。入居希望を出されていても、部屋が埋まっていれば案内することは当然できないからです。

ただ、民間運営の施設の場合は、公営施設に比べてかかる費用が高くなる代わりに、入居者待ちが少ないという特徴はあります。そのため、パンフレットでそのあたりのことを軽く触れると、「公営施設に空きがなくて困っている」という人に訴求しやすくなります。

また、潜在的なお客様にとってもっとも避けたいのは、「この施設にしたいと希望がかたまり、打ち合わせにも赴いたのに、実は空きがなかった」というケースです。
すでに述べた通り、介護施設探しをしている人の多くは、急いで介護施設を決定しなければならない状況にあります。このような人の時間をロスさせないために、施設の空き状況に飛べる二次元コードなどを配しておくと親切です。
この形式ならば、空き状況が変わるたびにパンフレットを刷り直さなければならないということもありませんし、お客様もまずここで空き状況を確認→空きがあるならば問い合わせ→その後で顔を合わせて打ち合わせ に進むことができます。

・費用がいくらかかるか分からないという悩みには明確な答えを

介護施設を選ぶうえで非常に大きな問題になるのが「費用」です。

費用は、部屋ごとの一覧表を作るとよいでしょう。
広さやプラン、部屋の状態(相部屋か個室か、夫婦での入居は可能かなど)を一覧表にして、それぞれに入居費用と月額使用料を記すのです。

このときに気を付けたいのが、価格の表記方法です。
価格の表記は「10万円~」などのように下限を記す形式ではなく、「10万円~20万円」のように下限と上限の2つを記すようにします。こうしておかないとお客様は「結局いくらかかるの?」「オプション費用をとられそう」という心配を抱いてしまうからです。
また、可能であれば、細かい手数料なども記しておくと、お客様は安心します。

介護施設や訪問看護のパンフレット作りにおいては、「時間がないと焦っている人に、ピンポイントで、求めている情報を提供できるものかどうか」という視点を持つことが求められています。

介護・看護にまつわるパンフレットに求められる要素とは

介護・看護にまつわるパンフレットに求められる要素とは

ここまでは、介護施設などのパンフレットに盛り込むべき内容について解説してきました。
ただ、必要な情報をきちんと盛り込んだパンフレットであっても、読みにくいものであってはなかなかお客様は手を伸ばしません。
そこでここからは一歩進めて、「介護・看護をテーマとするパンフレットに求められる要素」について解説していきます。

「安心」「明るい」「過ごしやすい」をテーマに

介護や看護を家族だけで完結させようとするのは非常に大変です。ただなかには、「それでも自分の親を、介護施設や訪問看護に頼るのには抵抗感がある」という人もいます。介護施設・訪問看護のパンフレットは、このような人の自責心を払拭し、安心感を抱かせるものでなければなりません。

そのため、介護施設・訪問看護のパンフレットでは「安心」「明るい」「過ごしやすさ」が伝わるものにする必要があります。たとえば「安心」の分野では「医師が24時間常駐しています」と記すことができれば、医療面での不安を抱える人を安心させられます。
また、太陽光がいっぱいに差し込むデイルームの写真などを掲載すれば、物理的にも心情的にも「明るさ」をアピールすることができます。
さらに、「食事にこだわっている」「施設内で園芸ができるようになっている」などのアピールポイントを具体的に記載すれば、「過ごしやすさ」も伝わりやすいでしょう。

見やすさを重視する

あらゆるパンフレットは「見やすさ」を重視して作る必要がありますが、特に介護・看護系のポンフレットではこの視点が重要です。ご本人が利用を検討している場合はもちろん、親御さんのための利用を検討しているお客様も、高齢である可能性が高いからです。

文字は大きめにして、写真や図を積極的に利用しましょう。レイアウトは分かりやすいものとして、文章も柔らかく優しいトーンにするように心がけます。

また、「お問い合わせいただいたらすぐに対応します」「ご不安なことがあれば、なんでもご相談ください」「トライアルでまずは1回/1日からお試しいただけます」などのように、気軽に相談できることを前面に押し出した文章を入れておきましょう。
こうすることでさらに、潜在的なお客様の安心感を増すことができます。

利用できるレベルも書いておく

介護・看護においては、「介護レベル(生活においてどれくらい手助けを必要とするかを測るための指標。自立~要支援1~要介護5までの8段階に分けられている)」が非常に重要視されます。介護計画などはこの介護レベルを基本として組み立てられますし、かかる人手や費用も変わってきます。特に介護施設の場合、「介護レベルが一定以上になった場合は、入居し続けてもらうことができない」という施設もあるでしょう。

介護施設や訪問看護を選んでいる人の多くは、この介護レベルのことをある程度把握しています。そして介護施設選びにおいては、「終の棲家と考えて選んでいる。『介護レベルが上がったら退去してください』と言われたら困る」という人も多く見られます。
そのため、このような悩みに先回りして答えるかたちで、対応可能・入居可能な介護レベルについてパンフレットに明記しておくことをおすすめします。
また、訪問看護の場合は、対応可能地域の記載も行いましょう。

介護施設や訪問看護のサービスは、プロによる物理的な支援であると同時に、ご本人とご家族の身心をケアするためのものでもあります。そのような特別な業界であるからこそ、読む人の心に寄り添い、その悩みに答えられるパンフレットを作る必要があります。
私たち合同会社田島デザインでは、介護施設・訪問看護サービスのパンフレット作りのお手伝いをしています。お問い合わせはこちらからどうぞ

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