それは「なぜパンフレットを制作するのか」という目的を明確にすることです。この記事では一般的に病院パンフレットを使う主な用途について解説しました。
貴院がパンフレットを制作する目的を考える補助として、ぜひ参考にしてください。※パンフレット制作の全体像については、「【保存版】病院パンフレット制作の進め方:初心者でも失敗しない方法」という記事にて解説しております。まだご覧になっていない方は、先に全体像をお読みいただくとより理解が深まるかと思います。
目次
パンフレットを使う主な用途3選
(1)総合案内:
病院の概要や特徴、診療科目、医療設備などを総合的に紹介するために使用します。
(2)診療案内: 初診や再診、他院からの紹介で来院される患者さん向けに、診療の流れや注意事項などを説明するために使用します。
(3)採用案内: 看護師や医療スタッフの採用に特化したパンフレットを作成し、病院の魅力や働きやすい環境をアピールするために使用します。
以降でそれぞれ内容を詳しくみていきましょう。
【目的1】総合案内
総合案内のパンフレットでは、病院の概要や特徴、診療科目、医療設備などを幅広く紹介します。
患者さんやその家族が病院を選ぶ際の判断材料となるよう、分かりやすく魅力的な内容にまとめることが大切です。例えば、当院の最新の医療機器である”XYZ”を導入し、より精度の高い検査が可能になったことなど、具体的な情報を交えて、イメージ画像やインフォグラフィックスを活用して視覚的に紹介すると効果的でしょう。
総合案内はこのような医院にオススメ
- ・お客様説明から採用まで、オールマイティに使えるパンフレットをまずは作成したい方
- ・取引先等に対し、病院の基本情報をしっかりと伝えるパンフレットを作りたい方
記載する内容
診療科別パンフレットには、以下のような情報を掲載すると効果的でしょう。
項目候補 | 内容 |
---|---|
病院の理念や基本方針 | ・設立理念や使命、目指す医療の方向性 ・患者中心の医療、チーム医療の推進、 地域医療への貢献などの基本姿勢 ・具体的な行動指針やスローガン |
病院の沿革 | ・設立年や創業者の思いを紹介し、歴史の重みを強調 ・病院の発展の歴史を時系列で紹介し、実績の積み重ねを印象付け ・県内初の専門医療導入や先進的取り組みの歴史も盛り込む |
診療科の一覧と概要 | ・対応可能な診療科を一覧で掲載し、 多様な医療ニーズへの対応力をアピール ・各診療科の特色、得意分野、代表的疾患や治療法を簡潔に紹介 ・診療科ごとの医師数や専門医在籍数も示し、専門性の高さを強調 |
主な医療機器や設備の紹介 | ・先進的医療機器を写真付きで紹介し、 最新医療が受けられることを印象付け ・各設備の特徴、用途、導入狙いを簡潔に説明 ・人間ドックや健診設備、リハビリ設備なども写真で分かりやすく紹介 |
病院内の施設案内 | ・外来、病棟、待合スペース、売店、レストラン、 キッズスペースなど病院内の様子を写真で紹介 ・明るく開放的な雰囲気、プライバシーに配慮した造り、 アメニティの充実ぶりをアピール ・療養環境の快適さ、患者に寄り添う配慮を伝える |
交通アクセス情報 | ・代表電話番号、受付時間、休診日を大きく分かりやすく記載 ・予約専用ダイヤル、問い合わせ用メールアドレス、 WebサイトのURLも併記 ・「お気軽にお問い合わせください」などの一文で敷居の低さを強調 |
これらの情報から特に伝えるべき点を見極め、わかりやすくお伝えすることで、患者さんやご家族、取引相手、採用候補者の方々に安心感を与え、信頼関係を築く一助となるでしょう。
【目的2】診療案内
診療案内パンフレットでは、初診や再診、他院からの紹介で来院される患者さん向けに、診療の流れや注意事項などを説明します。
診療の流れや必要な書類、注意事項などを分かりやすく説明することで、円滑な診療につなげられます。例えば、初診の場合は受付時に必要な書類や持ち物、保険証の提示方法などを詳しく記載し、再診の場合は予約方法や変更・キャンセルの手続きについて丁寧に説明します。
診療案内パンフレットを効果的に活用することで、患者さんの不安や疑問を解消し、スムーズな診療体験を提供できるでしょう。
診療案内はこのような医院にオススメ
- ・特定診療の需要が高く、オペレーション効率化やスムーズな診療につなげるパンフレットを目指す方
- ・患者さんに診療内容や医師の情報をよりわかりやすく伝えたい方
- ・診療科の専門性や特色を全面に打ち出してアピールしたい方
記載する内容
診療科別パンフレットには、以下のような情報を掲載すると効果的でしょう。
項目候補 | 内容 |
---|---|
診療科の特徴や強み | ・診療科の専門分野、得意疾患、治療法を具体的に紹介 ・独自の治療方法、設備、専門外来などをアピール ・学会発表、論文発表、メディア掲載など診療科の実績も盛り込む |
扱っている疾患や治療法 | ・診療科で対応可能な主な疾患名を列挙し、専門性の高さを印象付け ・各疾患の標準的治療法、先進的治療選択肢も紹介 ・予防医療、生活指導など幅広いアプローチができることも伝える |
治療のステップ | ・初診から検査、診断、治療、経過観察までの一連の流れを図示 ・各ステップでの具体的な内容、所要時間などを説明 ・入院が必要な場合の手続き、準備物なども合わせて案内 |
患者さまへの注意事項 | ・初診時に必要な持ち物、書類、保険証などを明示 ・服薬中の薬剤情報提供の依頼、 アレルギーの申告など事前準備の注意喚起 ・検査前の食事制限、服薬制限など検査・治療前の注意事項を記載 |
医師の紹介 (専門分野、経歴など) |
・診療科を代表する医師を写真入りで紹介し、顔の見える関係性を構築 ・各医師の専門分野、得意な治療法、経歴、所属学会などを記載し 信頼感を高める ・患者とのコミュニケーションを大切にするなど医師の人柄も伝える |
診療実績 (手術件数、治療成績など) |
・年間手術件数、治療実績、学会発表数など具体的な数値を提示 ・地域トップクラスの症例数、高い治療成績の分野を強調 ・症例写真、グラフ、患者の声などを用いて視覚的にも訴求 |
診療時間や予約方法 | ・外来診療の曜日、時間帯を一覧で分かりやすく掲載 ・予約方法、予約専用電話番号、Web予約の利用方法なども詳しく説明 ・急患への対応、休診日、診療科ごとの特別な案内も記載 |
診療科別パンフレットを通して、患者さんやご家族に専門的な情報を提供することで、信頼関係を強化し、適切な医療を受けていただくことにつながります。
【目的3】採用案内
採用案内のパンフレットは、看護師や医療スタッフの採用に特化して作成します。
病院の魅力や働きやすい環境、スタッフの声などを紹介することで、優秀な人材の確保につなげられます。例えば、充実した教育体制や研修制度、キャリアアップ支援など、スタッフのスキルアップを支える取り組みを詳しく紹介すると良いでしょう。また、実際に働いているスタッフのインタビューを掲載し、仕事のやりがいや職場の雰囲気を伝えることで、応募者の関心を高められます。
採用案内はこのような医院にオススメ
- ・人材確保に課題を感じており、採用力を高めたいとお考えの方
- ・働く魅力をしっかりと伝え、優秀な人材に選ばれる病院を目指す方
- ・応募者の心に響く、ユニークな採用パンフレットを作成したい方
より詳しく知りたい方へ
病院・クリニック関係での制作実績はもちろん、美容、飲食、IT、製造業等異業種での制作実績も多数ございます。
さまざまなビジネスに共通しているのは、採用活動の成功は、魅力的な情報提供から始まるということです。ぜひあなたの病院や医療機関の真価を伝える採用案内パンフレットの製作をお手伝いさせてください。
まとめ
病院パンフレットは、総合案内、診療案内、採用案内など、目的に応じて作成することが大切です。患者さんやその家族、地域住民、医療スタッフなど、ターゲットとなる方のニーズを考慮しながら、分かりやすく魅力的な内容にまとめることが求められます。
総合案内では、病院の特徴や強みを具体的な数値や事例で紹介し、イメージ画像やインフォグラフィックスを活用して視覚的に訴求することが効果的です。
診療案内では、初診や再診の流れ、必要な書類や持ち物を詳しく説明し、患者さんが安心して受診できるようサポートします。
採用案内では、病院の理念や目指す医療、スタッフの声、教育体制、福利厚生などを詳しく紹介し、優秀な人材の確保につなげます。
これらの情報を的確に伝えることで、病院に対する信頼の獲得、スムーズな診療の実現、優秀な医療スタッフの採用など、パンフレット制作の目的を達成できるでしょう。