採用案内用パンフレット
病院パンフレット作成ガイド|種類・費用相場・作成手順・ポイントを解説

病院パンフレット作成ガイド|種類・費用相場・作成手順・ポイントを解説

「病院のパンフレットを作りたいが、何から始めればいいのかわからない」、そんな院長先生も多いのではないでしょうか。ホームページはあるものの、院内や地域で配布する紙の資料が古く、現在の診療内容や方針と合っていないケースは少なくありません。患者さんやご家族は、受診前に不安を抱えています。

また、求職者や紹介元の医療機関も、限られた情報で病院の信頼性を判断します。こうした場面で、パンフレットは病院の印象を左右する重要な接点となります。本記事では、病院パンフレットの役割から種類ごとの目的、掲載内容、作成手順、制作時のポイント、費用の目安までをわかりやすく解説します。

病院パンフレットが重要な理由

Webサイトが普及した現代においても、紙媒体が持つ視認性と信頼性は、医療現場において独自の価値を持ちます。

病院パンフレットを作成することで、主に以下のメリットを得られます。

  • 受診のハードル低減:診療の流れや情報を整理し、来院前の不安を解消して安心感を提供
  • 地域連携の強化:紹介元の医療機関や施設に対し、自院の体制を簡潔に提示することで、
    円滑な連携と信頼構築を促す
  • 採用力の向上:職場の雰囲気や指針を直感的に伝え、求職者が入職後の姿を具体化する

情報のデジタル化が進む一方で、高齢者やその家族にとって、手元で繰り返し見返せる紙の情報は依然として有力な安心材料となります。

病院パンフレットの種類と目的

病院パンフレットと一口に言っても、その役割や使用場面で主に以下に分類できます。

  • 総合案内
  • 診療案内
  • 入院案内
  • 採用案内
  • 地域連携・紹介元向け

ここでは、各パンフレットの種類ごとに目的を整理します。

総合案内(病院案内)

総合案内は、病院の全体像を初めて知る人のためのパンフレットです。

患者や家族、地域の関係者が最初に手に取ることが多く、その内容が病院の第一印象を左右します。理念や基本方針、診療科一覧、診療時間、アクセス情報などを整理し、短時間で把握できる構成を意識しましょう。

ポイントは、専門性を強調しすぎないことです。読み手は医療知識がないことを前提に、安心して受診できる病院であると伝わる表現を用いることで、不安の軽減につながります。あわせて、受診の流れや問い合わせ先を明示することで、受付や電話対応の負担の軽減にも期待できます。

診療案内(診療科・外来)

診療案内のパンフレットは、特定の診療科や外来の受診を検討している患者向けの資料です。総合案内よりも一歩踏み込み、どのような症状に対応しているのか、治療方針はどうかといった具体的な情報を伝える役割を担います。

たとえば、整形外科、内科、小児科など、診療科によって患者の関心や不安は異なります。「この症状で受診してよいのか」「どのような検査や治療が行われるのか」といった疑問に応える内容にしましょう。

入院案内・手術/検査案内・人間ドック案内

入院や手術、検査、人間ドックに関するパンフレットは、患者や家族が最も不安を感じやすいタイミングで読まれる資料です。そのため、「安心して任せられるかどうか」を判断するための重要な情報源となります。

入院期間の目安や持ち物、面会ルール、費用の考え方など、事前に知っておきたい情報を整理して掲載することで、不安や問い合わせを減らせます。検査や手術の流れは、文章だけでなく図解やイラストを併用して、簡単に理解できるようにしましょう。

採用案内(看護師・医療職・事務)

採用案内のパンフレットは、病院での就職を検討する求職者に向けた資料です。給与や勤務条件といった基本情報に加え、教育体制、キャリアパス、働き方、職場の雰囲気などを具体的に伝えます。

たとえば、1日の業務の流れやスタッフの声を紹介することで、働く姿がより明確にイメージできるようになります。採用案内は、「この病院で働く自分を想像できるかどうか」が判断の分かれ目になる資料といえるでしょう。

地域連携・紹介元向け(医療機関・施設)

地域連携や紹介元向けのパンフレットは、医療機関や介護施設などの専門職を対象とした資料です。患者向けとは異なり、連携体制、対応可能な診療領域、紹介後のフォロー体制など、実務的な情報を中心に掲載します。

どのような症例を受け入れているのか、紹介の手順、逆紹介の方針といった点を明確にすることで、紹介のしやすさが向上します。結果として、地域全体での信頼関係の構築にもつながります。

病院パンフレットに掲載するべき内容

病院パンフレットでありがちな失敗は、情報を詰め込みすぎて読まれなくなることです。重要なのは、読む人の視点に立ち、不安や疑問を出発点として必要な情報を取捨選択することです。

ここでは、患者向けと採用向け、それぞれの立場に応じて、掲載すべき内容を整理します。

患者向け:不安を減らし受診・予約につなげる項目

患者さんがパンフレットを手に取るとき、さまざまな不安を抱えています。自分の症状で受診してよいのか、初めての病院で迷わず行けるのか、費用はどのくらいかかるのかといった疑問が頭に浮かびます。

患者向けパンフレットでは、こうした不安を一つずつ解消し、安心して次の行動に進んでもらえるようにします。
主な掲載内容は以下の通りです。

  • 受診の流れと予約方法
  • アクセス情報
  • 費用の目安や保険適用
  • よくある質問

患者向けの内容は、正確さだけでなく、わかりやすさと寄り添いの姿勢を重視することが重要です。

採用向け:求職者が比較する項目

採用向けパンフレットを見る求職者は、すでに複数の医療機関を比較検討しているケースが多いです。そのため、ここで働く自分を具体的に想像できる情報を掲載しましょう。条件面だけを並べても、他院との差別化にはつながりません。

特に重視される項目は、教育体制や研修の仕組みです。入職後にどのようにスキルを身につけていけるのか、先輩や上司のサポート体制はどうなっているのかを具体的に示すことで、安心して応募しやすくなります。

スタッフの声や1日の流れを紹介するのも効果的です。実際に働く人の言葉や業務の様子は、求職者にとって最も信頼できる情報源の一つです。採用向けパンフレットは、この病院で働くとどんな日常が待っているのかを伝える資料として設計しましょう。

共通:信頼の根拠になる要素

患者向け・採用向けを問わず、すべての病院パンフレットに共通して求められるのが信頼の裏付けです。わかりやすく丁寧に書かれていても、信頼できる病院だと感じられなければ、行動にはつながりません。

信頼の根拠として有効なのは、実績、専門性、設備、そして人の情報です。

たとえば、診療実績や認定資格、導入機器を簡潔に紹介すれば、医療の質を具体的にイメージできます。また、医師やスタッフの紹介を通じて、どのような人が医療を提供しているのかを伝えることも重要です。顔が見える情報は、それだけで安心感につながります。

病院パンフレットの作成手順

病院パンフレットは、思いつきで作り始めると途中で手戻りが発生しやすく、現場の負担も大きくなります。ここでは、基本的な作成手順を整理します。

STEP1:体制づくり(責任者・決裁者・監修者)

最初に行うべきは体制づくりです。パンフレット制作はデザインの話に目が行きがちですが、実際には誰が責任を持ち、誰が最終判断をするのかを決めることが最重要です。

たとえば、事務長が窓口になり、院長が決裁者、医師や看護師が内容監修を担うといった形です。この段階で役割を明確にしておかなければ、後から意見が錯綜し、原稿の修正が何度も発生します。

STEP2:台割(構成案)作成と情報整理

次に行うのが台割(構成案)の作成です。ここでは、何ページで、どの順番で、何を載せるのかを整理します。この工程を省略していきなり原稿を書き始めると、情報の重複や抜け漏れが発生しやすくなります。

情報整理の際は、今ある資料やホームページの内容を洗い出し、パンフレットに載せる情報と載せない情報を仕分けします。重要度の高い情報を優先し、詳細説明はWebに任せるという考え方が現実的です。

STEP3:原稿・写真・素材準備

構成が固まったら、原稿や写真などの素材を準備します。原稿は、医療知識がない人でも理解できることを前提に、専門用語には補足説明を添えるようにしましょう。

写真は、人の写ったカットを意識的に用意することで、パンフレット全体の印象が大きく変わります。診療風景やスタッフの表情が伝わる写真は、見る人に安心感や信頼感を与えます。

素材は、あとから差し替えると手間が増えるため、この段階で可能な限り揃えておくことが大切です。

STEP4:デザイン制作と校正

素材が揃ったら、デザイン制作に進みます。

見た目の美しさだけでなく、読みやすさを最優先に考えましょう。文字サイズや行間、色使いは、高齢者や家族が読むことを前提に判断します。

デザインが上がったら校正します。医療情報の誤りは信頼低下につながるため、必ず複数人で確認します。誤字脱字だけでなく、表現がわかりにくくないか、誤解を招かないかといった視点でチェックすることが大切です。

STEP5:印刷と配布

最後が印刷と配布です。部数や用紙、サイズは、配布シーンを想定して決めます。院内設置用なのか、郵送用なのか、地域配布なのかで最適な仕様は変わります。

また、配布後の運用も考えておくと効果的です。どこで、誰に、どのように渡すのかを決めておけば、パンフレットが眠ったままになるのを防げます。作って終わりではなく、使われる前提で設計することが、成果につながるポイントです。

病院パンフレットの制作ポイント

病院パンフレットの出来を左右するのは、デザインの良し悪し以前に、考え方と設計の質です。きれいに作ったのに効果が出ないケースの多くは、誰に何を伝え、どう行動してほしいのかが曖昧なまま進んでいることに原因があります。ここでは、制作ポイントをご紹介します。

目的とゴールを最初に明確にする

集患、採用、地域からの信頼向上、院内説明の効率化など、パンフレットに期待する役割は複数ありますが、すべてを同時に達成しようとすると焦点がぼやけます。

重要なのは、読んだ人に最終的に何をしてほしいのかを明確化することです。予約してほしいのか、応募してほしいのか、理解して安心してほしいのか。このゴールが明確になると、載せる情報と削る情報の判断がしやすくなり、パンフレット全体の一貫性が保たれます。

ターゲットを具体化し、読み手の不安を起点に構成する

誰が読むのかを具体的に想定することも欠かせません。患者本人なのか、家族なのか、求職者なのかによって、不安の種類は大きく異なります。医療者にとって当たり前の情報でも、読み手にとっては分からないことだらけという前提に立つ必要があります。

構成を考える際は、不安を感じるポイントから安心へ、そして行動へという流れを意識しましょう。いきなり専門的な説明を始めるのではなく、まずは不安に共感し、次にその不安が解消される情報を提示することで、自然と読み進めてもらえるパンフレットになります。

掲載情報は網羅より整理を優先する

よくある失敗が、情報をすべて載せようとして文字だらけになることです。情報量が多すぎると、結局どこも読まれません。大切なのは、重要度の高い情報から順に整理し、優先順位をつけることです。

詳細な説明や最新情報はWebに任せ、パンフレットは全体像と要点を伝える入口と位置づけると、情報の整理がしやすくなります。読む側の負担を減らすことが、結果的に伝わるパンフレットにつながります。

病院らしい安心感・信頼感をデザインで表現する

デザインは情報を正しく伝えるための手段です。清潔感、余白、読みやすい文字サイズといった基本を丁寧に押さえることで、自然と安心感が生まれます。

写真選びも重要です。設備写真だけでなく、医師やスタッフの表情が伝わる写真を適切に入れることで、病院の雰囲気が伝わりやすくなります。派手さよりも、信頼できそうだと感じてもらえるかどうかを基準に判断することが大切です。

高齢者や家族にも配慮した設計にする

病院パンフレットの読者には、高齢者やその家族が含まれることが多くあります。文字が小さすぎたり、専門用語が多かったりすると、それだけで読まれない原因になります。

図解やイラストを活用し、直感的に理解できる構成にすることで、内容の理解度は大きく高まります。誰にでもわかる表現を意識することは、情報の質を下げるのではなく、伝える力を高める工夫です。

紙だけで完結させず、Web導線を設計する

パンフレットはすべてを説明するための媒体ではありません。予約ページや診療科の詳細、採用情報など、詳しい情報はWebに誘導することで役割分担ができます。

2次元コードなどを活用し、次の行動につながる導線を設計しておくことで、パンフレットは単なる案内資料から、行動を促すツールに変わります。紙とWebを切り分けて考える視点が重要です。

病院パンフレット制作料金の相場

病院パンフレットの制作料金は、大きく分けてデザイン作成費と印刷費の2つで構成されます。

費用項目 内容 目安費用
デザイン費 構成設計、原稿整理、デザイン、修正対応を含む 約3万円/ページ
例:8ページで約24万円
印刷費 部数・用紙・加工内容などで変動 A4・8ページ・1,000部で
数万~十数万円

注意したいのは、料金の安さだけで制作先を判断しないことです。極端に安い場合、構成設計が不十分だったり、修正対応に制限があったりするケースも見受けられます。

パンフレットは一度作れば数年使われることも多く、集患や採用に与える影響を考えると、単なる印刷物ではなく投資として捉える視点が欠かせません。

費用を検討する際は、「何ページで」「誰に向けて」「どの目的で使うのか」を明確にしたうえで見積もりを確認することが重要です。そうすることで、提示された金額で何が得られるのかを冷静に判断でき、後悔のない選択につながります。

まとめ:パンフレットを制作して選ばれる病院になろう

病院パンフレットは、患者にとっては不安を和らげる判断材料となり、求職者にとっては「ここで働く自分」を想像する手がかりになります。

成果につながるパンフレットに必要なのは、見た目の良さだけに頼らないことです。まずは以下の3点を明確にしましょう。

  • 誰に向けて(ターゲット)
  • どの場面で使いたいのか(使用シーン)
  • 何を促したいか(ゴール)

この整理をもとに情報を構成し、読み手の不安に寄り添った表現を選ぶことが大切です。

また、紙だけで完結させず、Webと役割を分ける視点も欠かせません。パンフレットは入口、詳細や行動導線はWebへとすることで、限られたページでも効果的な設計が可能になります。
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