採用案内用パンフレット
IT業界・システム業界のパンフレットは、「だれに」「何を」届けたいかを考える

IT業界・システム業界のパンフレットは、「だれに」「何を」届けたいかを考える

2024年現在の生活は、IT・システムとは切っても切り離せないものでもあります。生活のほとんどすべてにこれらが関わっており、電気やガス、水道などと同じく、公共インフラのうちのひとつとまで言えるものです。そのため、IT業界・システム業界に関わる人の数は非常に多くなります。基本的にはBtoBの形態をとることになるケースが多いこのIT業界・システム業界の、パンフレット作りについてここでは取り上げていきましょう。ただ、一口に「IT業界・システム業界のパンフレット」といっても、ターゲットが違えば訴求方法もまた異なります。ここではまずターゲットを「人材か、それとも顧客か」に分けたうえで、それぞれに訴求できるパンフレット作りについて考えていきます。

求めているのは人材か、それとも顧客か?

求めているのは人材か、それとも顧客か?

IT業界・システム業界のパンフレットでは、まずそれを作る前に、「自社(あるいは今回作るパンフレット)のターゲットは、人材か、それとも顧客か?」をしっかり分けなければなりません。

IT業界・システム業界は、常に人手不足の状態にあります。より正確に言うのであれば、「IT業界・システム業界で働く人の数自体は増えているが、それよりもずっと早く、IT・システムを必要とする企業が増えていっている」というべきでしょう。

たとえば経済産業省がとったデータによれば、「2016年の人材数は約96.000人であり、現時点での不足数は約15,200人である。2020年の段階では人材数は約130,000人にまで増えるが、不足数は2016年の3倍近くにあたる約47,800人にもなる」としています。

このようなことから、IT業界・システム業界を支える企業は常に、人材を求めている状況です。「すでに人が不足している」「少人数の社員が、無理をして会社を回している状況だ」という場合のときには、まずは求職者に向けて自社の魅力を打ち出せるパンフレット作りを行うべきでしょう。

IT業界・システム業界が注目すべきパンフレットのもうひとつのかたちとして、「クライアントにアピールするものを作る」というかたちが挙げられます。

IT業界・システム業界は、当然のことながら、クライアントからの注文を受注しなければ会社を存続させることはできません。人材が多くいても仕事が回ってこなければ、会社としての体を維持し続けることは難しいでしょう。また、同じクライアントからの細く長い発注も頼りにはなりますが、それと同時進行で、新規の案件を獲得するべく動かなければなりません。

人材募集のためのパンフレットなのか、それとも顧客・クライアントの獲得を目指したパンフレットなのかで、同一社のパンフレットであっても、作り方は大きく異なります。事項以降では、人材募集のためのパンフレットと顧客獲得のためのパンフレットの作り方を、それぞれ分けて解説していきます。

出典:
経済産業省商務情報政策局情報処理振興課「参考資料(IT人材育成の状況等について)」内「IT人材需要の変化②」
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s03_00.pdf

人材を募集したい場合の3つのポイント

人材を募集したい場合の3つのポイント

IT業界・システム業界において、人材を募集とするパンフレットを作る場合に気を付ける点は、以下の3つです。

  • ・「どんな人材が欲しいか」を明確にし、それをテーマとする
  • ・キャリアアップの道筋を明示する
  • ・転職者向けのパンフレットと、新卒向けのパンフレットに分けるのも有効

ひとつずつ見ていきましょう。

「どんな人材が欲しいか」をテーマにするとよい

IT業界・システム業界のパンフレット作りにおいては、「求職者を対象とするか、クライアントを対象とするか」のターゲット設定が重要だとしました。これに加えて、さらに前者では「欲しい人材像に合わせたパンフレット作り」のように細分化されます。

「自分たちの会社は比較的新しい会社であり、人材としても、革新的で従来にとらわれない発想ができる人を求めている」という場合は、ポップで賑やかな印象のパンフレットにするべきでしょう。また、アクションを起こしやすいように、「今、すぐに!」などのような呼びかけを入れるのも効果的です。また、ポップで可愛らしい自社のマスコットキャラクターを登場させるのもひとつの手です。

アニメ制作などのシステム構築に関する仕事を請け負うことが多いのであれば、関わってきたアニメの制作実績を入れるのもよいでしょう。これは自社の技術力と経験を語るものであると同時に、「このアニメ、見たことがある!」という親しみやすさも同時に出すことができます。

建設会社や金融業界のIT・システムの開発を主な仕事としている場合は、パンフレットも、硬質で真面目な印象にします。

アニメなどのエンターテイメント性の強い業界のIT・システム開発を主としている場合はスーツ以外の服装の人を配すこともあります。しかし建設会社や金融業界をターゲットとした仕事をしている場合は、やはりそのIT・システム開発にあたる人もスーツ姿が望ましいでしょう。

またこのような業界との取引が多く、自社の社風もまた比較的硬いものであるのなら、実績や歴史を大きく打ち出すパンフレットを作るとよいでしょう。そのような社風を好む人材にとって、実績や歴史は、魅力的で効果的なアピールポイントのひとつとなるからです。

キャリアアップの道筋を分かりやすく示すのも有効

人材採用のためのパンフレットの場合は、「キャリアアップのための道筋」を分かりやすく示すとよいでしょう。

たとえば、「入社〇年後(資格▽取得)で係長に」「売り上げ〇万円以上で部長職に」などのようなものです。

入職者が気にすることのひとつとして、「自分自身がキャリアアップできる会社かどうか」「キャリアアップのための道筋やステップ、評価は公平なものであるか」があります。パンフレットの段階でそれを会社側から明示することで、入職希望者はその会社で自分がステップアップしていく姿を想像しやすくなります。

なおパンフレットの場合は文字数に制限がありますが、このようなキャリアアップのための道筋を示す部分には、階段状のイラストなどを配するとよいでしょう。階段状のイラストは、文字通り「ステップアップ」をこれ以上ないほどに分かりやすく伝えるものだからです。

転職者向けのパンフレットと、新卒対象のパンフレットを分けるという選択肢

IT業界・システム業界の人材募集用のパンフレットを作る場合、「転職者向けのパンフレットと、新卒対象のパンフレットを分ける」という選択肢も視野に入ってきます。

実のところ、IT業界・システム業界の転職率は決して高くはありません。2022年に取られた「産業別の入職率・離職率」のデータでは、全産業の離職率は15.0パーセントとされています。対してIT業界・システム業界(情報通信業)の離職率は11.9パーセントにとどまっています。つまり、平均値に比べても低い水準にとどまっているのです(ちなみに離職率1位は宿泊・飲食業で、26.8パーセントをマークしています)。

ただ、IT業界・システム業界は、しばしば、「離職率が高い業界だ」とやり玉に挙げられます。ハードな職場も多いためか、そのような印象を持つ人が少なくないのでしょう。また、「以前はIT業界・システム業界で働いていた。もう一度同じ業界で働きたいが、IT業界・システム業界は新しい技術がどんどん出てくる。『出戻り』になったときにやっていけるかどうか自信がない」という人もいるかもしれません。

対して新卒者の場合は、「学校でカリキュラムを学んだが、本当に実践で役に立つのか」「自分の望むような活躍ができるか」などのように不安に思うことが多いかと思われます。

つまり、同じようにIT業界・システム業界に入ってきたいという人であっても、その悩みはまったく異なるものなのです。

転職者向けのパンフレットの場合は、

  • ・転職成功者の声
  • ・転職したい理由は何? などの呼びかけ
  • ・福利厚生

などを打ち出していくとよいでしょう。全体的に落ち着いた印象を抱かせるパンフレット作りを心掛けることをおすすめします。

対して新卒者向けのパンフレット

  • ・どんな仕事をしているのか
  • ・今までの(輝かしい)実績
  • ・一緒に働いていこうというメッセージ

を中心に据えます。また、転職者向けのパンフレットに比べて、明るく元気な印象が好まれる傾向にあります。

出典:
厚生労働省「―令和4年雇用動向調査結果の概況―」内「産業別入職者・離職率(令和4年(2022年))」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf

クライアントを募集したいときの3つのポイント

クライアントを募集したいときの3つのポイント

人材募集向けのパンフレットの作り方を紹介してきたところで、ここからは、「クライアンント・案件を募集したいときのパンフレットの作り方について見ていきましょう。

キーとなるのは、以下の3つです。

  • ・自社の強みを、インパクトのある言葉で打ち出す
  • ・文字数はある程度詰め込んでもよい
  • ・「実績」をしっかりアピールする

ひとつずつ見ていきましょう。

自社の強みをキャッチーに打ち出す

ITやシステムを扱う会社は、数多くあります。そのなかで自社を選んでもらうためには、自社が同業他社よりも優れていることをアピールしなければなりません。また、「この会社は良いかもしれないな」と感じた場合は、下記でも紹介するようにある程度時間を割いてパンフレットを読み込んでもらえますが、ファーストインプレッションの段階でアピールに失敗すればそれもかないません。

そのため最初の1ページめで、自社の強みをキャッチーに打ち出すことが何よりも重要です。

たとえば、「貴社専属のコンサルタントチームが、WEBマーケティングを一括管理!」「商業施設に特化したサービスの展開」などです。また、「デジタルマーケティング専門のスペシャリストがそろっています」など、人材に訴求してみるのもよいでしょう。

IT業界・システム業界の場合は、ある程度文字を詰め込める

キャッチーな文章で目を引き付け、自社に興味を持ってもらえたならば、後は「情報」を提供していくスタイルにシフトチェンジしてもかまいません。

IT業界・システム業界は、BtoBを基本とします。そのため、読む人も相応の知識があるという前提で、パンフレットを作ることができます。加えて、そのような人・企業が欲しいのは「情報」であるため、ある程度文字数を詰め込んでも構いません。写真などはあまり配置しなくても読んでもらうことができるので、必要な情報・伝えたい情報を絞ったうえで、「言葉」で伝えるようにするとよいでしょう。

なおIT業界・システム業界のパンフレットを読むクライアント様の場合、明確な「数字の提示」を好む傾向があります。そのため、「業務効率が〇パーセント改善」「人件費を〇パーセント抑えられる」などのように、具体的な数字を出すことができればなお良いでしょう。

「実績」を打ち出す

上でも少し触れましたが、「数字」は自社の実績を打ち出すもっとも有効な表現方法のうちのひとつです。

ただそれに加えて、「デザイン自体もまた、ひとつの『実績』となること」を抑えておくと良いでしょう。

特にホームページ作りなどを業務のひとつとしている企業の場合は、作るパンフレットがそのままその企業のデザインセンスとなり、クライアントが評価する評価軸のひとつとなります。

もっとも望ましいのは、「クライアントに好まれるデザインの方向性を生かして土台を作ったうえで、数字を盛り込んで訴求の文章を作っていくこと」でしょう。

このようなパンフレットは、商談において強力な味方として活躍させられるはずです。

ご相談はこちらまで>> https://tajima-d.com/contact