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(3)【病院パンフレットデザイン入門】今日からできる3つの改善点!

(3)【病院パンフレットデザイン入門】今日からできる3つの改善点!

病院のパンフレットは、患者さんやご家族にとって大切な情報源であり、病院選びの判断材料にもなります。その中でもデザインは、病院の第一印象を左右する重要な要素と言えるでしょう。この記事では、パンフレット制作におけるデザインの重要性、そして、デザインにおいてどのような点に気を付ける必要があるのかについて解説していきます。

※パンフレット制作の全体像については、「【保存版】病院パンフレット制作の進め方:初心者でも失敗しない方法」という記事にて解説しております。まだご覧になっていない方は、先に全体像をお読みいただくとより理解が深まるかと思います。

パンフレット制作におけるデザインの重要性

パンフレット制作におけるデザインの重要性

良いデザインを作るメリット

読みやすく、情報が整理されたパンフレットは、受診を検討中の方の不安を和らげ、信頼感を高める効果が期待できます。さらに、わかりやすいデザインなら、好印象を抱いてもらえる可能性が高まります。「この病院なら信頼できそう」「ここなら安心して任せられる」と感じてもらえれば、患者さんとの信頼関係の第一歩になるはずです。

悪いデザインを作ってしまった時のデメリット

一方、デザインに問題があれば、内容が充実していても、手に取ってすらもらえない可能性があります。さらには、見づらくて情報が整理されていないパンフレットを目にすると、「この病院は大丈夫かな」と不安を感じるかもしれません。受診をためらったり、他院と比べて魅力を感じなかったりと、マイナスの印象を持たれてしまうでしょう。

特に、病院選びにおいては、命に関わる大切な決断だけに、より慎重にその信頼性が見極められます。だからこそ、安心感を与えるパンフレットづくりには、細心の注意を払う必要があるのです。

ではどのように良いデザインを作れば、安心していただけば良いのでしょうか。

安心感を与えるデザインに必要なこと

安心感を与えるデザインに必要なこと

安心感を演出するパンフレットに欠かせないのは、「わかりやすさ」と「統一感」の2つ。この両方が高いレベルで備われば、手に取った人に好印象を与えられるでしょう。

わかりやすさの指標としては、一目で情報が把握できるか、読みやすい文字が使われているか、ビジュアル表現が理解の手助けになっているか、などが挙げられます。

一方の統一感は、全体の雰囲気に一貫性があるか、細部に至るまでトーンが揃っているか、といった点がポイントになります。

この2つが欠けると、情報が整理されていない、わかりにくい、デザインにまとまりがない、といったマイナス印象を招きかねません。わかりやすさと統一感のバランスを取ることが、患者さんの安心につながると言えそうです。

以降は、実際に「どうわかりやすさを作るか」「どう統一感を作るか」について解説していきます。

どうわかりやすさを作るか

わかりやすいパンフレットのコツは、「情報の優先順位付け」と「取捨選択」が肝です。

読み手が本当に必要としている情報は何か、そこに的を絞ることが大切で、具体的には以下のような工夫が考えられます。

工夫点 具体的な方法
情報の優先順位付け ・パンフレットの目的と読み手のニーズを明確にする
・伝えたい情報を洗い出し、重要度に応じて優先順位をつける
・優先度の高い情報から順に掲載し、読み手の関心に沿った流れを作る
・各ページの冒頭に見出しを入れ、そのページの内容を端的に示す
・最も伝えたい情報は、目立つデザインや位置で強調する
取捨選択 ・パンフレットの目的に沿って、掲載する情報を厳選する
・読み手にとって不要な情報は思い切って削除する
・情報量が多すぎるページは、複数ページに分割することを検討する
・詳細情報は、別ページや別冊子、ウェブサイトへの誘導で対応する
・文章は簡潔にまとめ、箇条書きやポイント形式で読みやすくする
視覚的な訴求 ・写真やイラスト、アイコンを効果的に使い、視覚的に訴求する
・データや数値は、グラフや表を用いてわかりやすく可視化する
・写真は質の高いものを厳選し、意図が明確に伝わるものを選ぶ
・イラストは親しみやすく、
内容を直感的に理解できるデザインを心がける
・全体の雰囲気と調和したビジュアルを用い、統一感を保つ
文字のデザイン ・読みやすさを重視し、明朝体やゴシック体など
読みやすいフォントを選ぶ
・重要な情報は大きめの文字サイズで強調し、
詳細情報は小さめの文字サイズで掲載する
・文字サイズは最低でも10ポイント以上を確保し、高齢者にも配慮する
・行間を適度に空け、余白を活用して読みやすさを高める
・見出しと本文で文字サイズや書体を変え、メリハリをつける
レイアウト ・情報の優先順位に応じて、レイアウトを設計する
・重要情報は目に留まりやすい位置に配置し、詳細情報は補足的な位置に配置する
・写真やイラストは関連する情報の近くに配置し、内容の理解を助ける
・余白を適度に設け、情報の区切りを明確にしてわかりやすさを高める
・色のコントラストを活用し、重要情報が埋もれないように配慮する
言葉選びと文章表現 ・読み手に合わせて、平易でわかりやすい言葉を選ぶ
・専門用語は必要最小限に留め、用語解説を付ける
・一文を短くし、複雑な表現は避ける
・能動態で明確に伝え、受け身の表現は控えめにする
・親しみやすい語り口で、読み手に寄り添う姿勢を示す
患者さんに寄り添う姿勢 ・患者さんの立場に立ち、必要としている情報は何かを考える
・専門知識のない読み手でも理解できるよう、平易な言葉で説明する
・不安や心配を和らげられるよう、温かみのある言葉選びを心がける
・患者さんの行動をあと押しできるよう、次のアクションを明確に示す
・問い合わせ先を明記し、いつでも相談できる体制を整える

以上の工夫を踏まえ、読み手の立場に立ってわかりやすく丁寧なパンフレット作りを心がけましょう。

患者さんに寄り添い、必要な情報を適切に伝えることが、信頼関係の構築につながります。医療者としての誠実さと思いやりが、パンフレットに表れるよう、細部まで配慮を重ねていきましょう。

どう統一感を作るか

パンフレットのあちこちに感じられる統一感は、それだけで病院への安心感を醸成する力があります。色・フォント・画像・言葉や雰囲気など、トータルでデザインを整えることが、信頼を生み出すカギと言えるでしょう。

統一感を生み出すためのポイントは、以下の7つです。

ポイント 具体的な方法
配色 ・病院の理念やコンセプトに合った色を選ぶ
・同系色を基調とし、統一感のある配色を心がける
・アクセントカラーを効果的に使い、メリハリをつける
・色の組み合わせや配色バランスに気を配り、見やすさと美しさを両立する
・色の持つイメージを理解し、狙った印象を与えられるよう配色する
フォント ・パンフレット全体で1~2種類のフォントに留める
・タイトルと本文で異なるフォントを使う場合は、雰囲気の近いものを選ぶ
・フォントサイズは読みやすさを重視し、統一感のある大きさに設定する
・フォントの太さ(ウェイト)を統一し、必要に応じて太字や細字を使い分ける
・フォントの色は背景色とのコントラストを考慮し、読みやすさを確保する
画像 ・写真やイラストは、パンフレットの雰囲気に合ったテイストで統一する
・画像の色調や明るさを調整し、全体の配色と調和させる
・人物写真を使う場合は、表情や雰囲気に一貫性を持たせる
・グラフやチャートは、デザインテンプレートを作成し、統一感のある見た目に仕上げる
・図版やアイコンは、スタイルを統一し、全体の雰囲気を損なわないよう配置する
言葉遣いとトーン ・パンフレット全体で、読み手に合わせた適切な言葉遣いを心がける
・敬語や丁寧語を使う場合は、全ページで統一する
・専門用語は必要最小限に留め、使用する場合は全ページで一貫した表現を用いる
・文章の長さやリズムを統一し、読みやすさを保つ
・病院の理念やコンセプトに合った印象を与えられるよう、言葉のトーンを調整する
レイアウト ・グリッドシステムを活用し、ページ全体で一貫したレイアウトを作成する
・余白の幅や位置を統一し、ページ間の一体感を生み出す
・写真やイラストの配置ルールを設け、統一感のある見た目に仕上げる
・見出しやテキストのスタイルを統一し、情報の階層を明確にする
・ページ番号やフッターのデザインを統一し、パンフレット全体のまとまりを強化する
紙質と質感 ・パンフレット全体で統一した紙質を使用する
・紙の厚さや質感を統一し、高級感や信頼感を演出する
・光沢の有無や紙の色を統一し、パンフレットの印象を損なわないよう配慮する
・表紙と本文の紙質を変える場合は、違和感のない組み合わせを選ぶ
・環境に配慮した紙の使用を検討し、病院の姿勢を反映する
ブランディング要素の活用 ・病院のロゴやシンボルマークを効果的に配置し、ブランド認知度を高める
・病院の理念やビジョンを表現するキーメッセージを全ページで展開する
・ブランドカラーを効果的に使用し、病院らしさを印象付ける
・ブランドフォントがある場合は、パンフレット全体で活用する
・ブランディング要素を統一感のあるデザインで展開し、病院のアイデンティティを強化する

これらのポイントを押さえつつ、細部にまでこだわりを持ってデザインを作り込むことが、統一感のあるパンフレット制作につながります。ただし、統一感を追求するあまり、画一的な印象を与えすぎないよう注意が必要です。アクセントカラーを使って画面に締まりをもたらす等、デザイン上で工夫を凝らしましょう。

病院パンフレットデザインの改善点3選

病院パンフレットデザインの改善点3選以上を踏まえて、今日からできる具体的なデザインの改善点を3つに絞りました。
ご自身で制作されているものと照らし合わせながら、ぜひご活用ください。

第1の改善点:無駄な情報が入っていないか?

1つ目の改善点は、情報の整理と見せ方の工夫です。パンフレットでは、多岐にわたる情報をコンパクトにまとめる必要があります。しかし、詰め込みすぎては、かえって読み手の負担になってしまいます。とにかく削れるところは削っていきましょう。

情報を整理するためのステップとしては、以下のような流れが考えられます。

  • ・伝えるべき情報を洗い出す
  • ・情報を大項目ごとに分類する
  • ・情報の優先順位をつける
  • ・優先順位の低いものは削る
  • ・各項目の見出しを考える
  • ・ページの順序を決める

こうして情報を一度分類すると、その中で優先順位をつけるなどできるようになり、さらに削れる項目が見えてくるかもしれません。

そして情報の骨組みを作ったら、各ページの冒頭に小見出しを入れ、そのページの内容を端的に示すといいでしょう。読み手を迷子にさせないよう、情報の流れを意識することも大切です。

また、難しい言葉や専門用語は避け、患者さんにもわかりやすい表現を心がけることも重要です。

このように情報を取捨選択したことで、よりスッキリしてわかりやすいデザインに近付いていきます。

第2の改善点:意味がわかるビジュアルを取り入れているか?

2つ目の改善点は、写真やイラストの活用です。ビジュアル要素は、パンフレットの印象を大きく左右する重要な役割を担っています。

適切に使えば、以下のようなメリットが期待できます。

  • ・文字数を減らし、読みやすさが向上
  • ・情報を大項目ごとに分類する
  • ・雰囲気や魅力を直感的に伝えられる
  • ・より具体的なイメージを持ってもらえる
  • ・親しみやすさが増し、心理的な距離が縮まる

写真やイラストを使う際は、質感やテイストにこだわり、目的に適うクオリティのものを選んでください。例えば、以下のような素材が考えられます。

  • ・院内の様子を伝えるリアルな写真
  • ・設備や機器の特徴を示すイラスト
  • ・データを視覚化したグラフや表
  • ・診療の流れを説明するフロー図

ビジュアルと文字情報を上手く補完しあって、最大限の効果を引き出しましょう。

第3の改善点:余白を上手く使えているか?

3つ目の改善点は、余白の活用です。

余白は、情報を整理し、読みやすさを向上させるために欠かせない要素ですが、適切に使いこなすのは意外に難しいものです。

余白を上手く活用するためのポイントは、以下の通りです。

  • ・情報の区切りを明確にし、視覚的な休憩を与える
  • ・ページ全体の印象を引き締め、洗練された雰囲気を演出する
  • ・重要な情報を際立たせ、読み手の注目を集める
  • ・写真やイラストの存在感を高め、より効果的に訴求する
  • ・高級感や信頼感を醸成し、病院のブランドイメージを向上させる

具体的には、以下のような工夫が考えられます。

  • ・見出しや段落の前後に十分な余白を設け、メリハリをつける
  • ・ページ端に余白を設けることで、すっきりとした印象を与える
  • ・写真やイラストの周囲に余白を設け、視線を引き付ける
  • ・コラムや囲み記事を効果的に配置し、情報を整理する
  • ・全体的に余白を多めに取り、ゆとりある紙面を作る

ただし、余白を設ける際は、情報量とのバランスに注意が必要です。余白が多すぎると、かえって間延びした印象を与えかねません。情報の優先順位を見極め、適切な余白量を見出すことが大切です。

また、余白の使い方は、病院の特性やコンセプトによっても異なります。例えば、シンプルでモダンなイメージを目指すなら、余白を多めに設けることで、洗練された印象を与えられるでしょう。一方、アットホームで温かみのあるイメージを目指すなら、写真やイラストを多用し、余白を控えめにすることで、親しみやすさを演出できます。

余白は、パンフレットの印象を大きく左右する重要な要素です。情報量とのバランスを取りながら、戦略的に余白を活用することで、読み手に好印象を与え、病院への信頼感を高められるはずです。ぜひ、自院のパンフレットを見直し、余白の使い方を工夫してみてください。

まとめ

以上、病院パンフレットのデザインについて、改善ポイントを考えてみました。

「わかりやすさ」と「統一感」の追求が、患者さんからの信頼を得るカギとなります。

今回ご紹介した内容を意識しながら、細部までデザインされたパンフレットを制作し、ぜひ「選ばれる医院」になりましょう!